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歯がしみる 我慢・放置は禁物
「ウウッ…」
 「お母さん、どうしたが?」
 「歯に水がしみるがよ」

 まだまだ水の冷たい季節、このような経験をした方も多いと思います。そんなとき、皆さんはどうされていますか?
 不安に思いながらも、我慢する?歯がしみないように水の温度を調節する?歯がしみなくなる歯みがき粉を買う?そのまま放っておく?歯医者に行く―と、ほかにもいろんなパターンが考えられると思いますが、その前に、なぜ歯がしみるのか、ご存じですか。
 歯がしみるように感じるのは、歯の神経(歯髄=しずい)に何らかの刺激が加わったためです。原因としてはむし歯や知覚過敏などが挙げられますが、歯周病が原因であることも。そこで今回は、歯周病だとなぜ歯がしみるのかについてお話したいと思います。

 歯周病と聞いて皆さんが最初に思い浮かべる症状は何でしょう? 口臭がする▽歯ぐきから血が出る▽歯ぐきが腫れる▽歯がグラグラする▽歯が抜ける―などがあると思いますが、歯周病によって歯ぐきが下がって歯の根っこが露出すると、歯の構造上、セメント質が露出してしまいます。
 セメント質は厚さ12ミクロン程度なので、歯ブラシなどでも簡単に削れてしまうと、その下にある象牙質が露出し、神経に刺激が加わりやすい状態になります。そうなると、冷たい物や熱い物ばかりでなく、甘い物、歯みがきによる歯への圧力、プラーク(細菌)までもが刺激となり得るのです。
 ということはつまり、何らかの刺激によって歯がしみると感じた場合、「ちょっと我慢していたら落ち着くかも」とか、歯がしみないようにするためだけの“対症療法”を講じるのではなく、まず原因が何であるのか、どうやって予防すればいいのか、そのときの状態をきちっと把握しておいた方がいいといえるでしょう。
 ちょっと面倒くさいなと思っても、正しい知識を身に付け、適切な予防につなげることが“健口”への近道なのかもしれませんね。