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県民運動 本県も“歯の条例”可決
むし歯予防と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
 歯磨きをしっかりする。甘い物を控える。昔からいわれる二つの方法でむし歯を予防するのは、実は思うほど簡単ではないのです。

歯磨きの限界?

 歯の中で最もむし歯になりやすいのは磨きにくい部分です。食べ物をかむ面の溝は、歯ブラシの毛先よりも小さいため、溝の中の汚れ(歯垢=しこう)は基本的に取ることができません。歯と歯の間も、歯ブラシが届きにくい部分です。つまり、歯磨きは歯の平らな部分のむし歯予防には効果がありますが、肝心のむし歯になりやすい部分は難しいということ。 とはいえ、歯磨きで口の中を清潔することは口臭や歯肉炎予防にはとても効果があり、歯磨きをしなくてもいいというわけではありません。
 むし歯にならないように甘いものを制限するのは、現代の食生活ではとても難しいことだといえます。 例えば、皆さんがよく口にするスポーツ飲料にもかなりの砂糖分が含まれており、甘味制限しようと思ったら水かお茶以外はほとんど飲めなくなってしまいますね。
 シリーズ第2話でも触れましたが、誰でもできて、確実にむし歯が予防できる方法としてお勧めなのがフッ素。日本でも、歯科医院でのフッ素塗布や、フッ素入り歯磨き粉などフッ素を使ったむし歯予防法が随分と広まってきました。フッ素入り洗口液でうがいする方法も急速に普及しつつあります。

むし歯ワースト

 最近では、行政としてむし歯予防や健口づくりに積極的に取り組む都道府県も増えてきました。
 例えば佐賀県。3歳児のむし歯の本数が1991年から10年連続で全国最多を記録したのを受け、県はむし歯予防として幼稚園や保育園、小学校、中学校などでのフッ素洗口の普及を推進しました。県内小学校でのフッ素洗口実施率は95%。その結果、2008年には12歳児のむし歯本数は全国平均を下回り、九州で最もむし歯が少ない県になりました。
 愛媛県では今年6月に「歯と口腔(こうくう)の健康づくり推進条例」が県議会で可決、施行されました。その中にも「フッ素洗口の実施の支援」が盛り込まれています。
 本県でも14日の県議会で、「県歯と口の健康づくり条例」が可決されました。県民運動として“健口づくり”に取り組もうと、具体目標を盛り込んだ基本計画の策定や県民実態調査の実施などを規定していますが、詳しい内容に関しては、また別の機会にお話したいと思います。