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歯並びの治療 気になればすぐ相談を
  保育園のお迎えの待ち時間、お母さん同士がこんな会話をしています。

 「この前、下の子の3歳児健診に行った時、歯医者さんから『子どもの歯にすき間がないので、大人の歯がつんで生えてくるかもしれん』って言われたがよ。きれいに生えちゅうと思うて歯並びは全然心配しちゃあせんかったき、ものすごいショックで…」
 「うちの上の子もそう。年長さんの時に近所の歯医者さんに相談に行ったがよ。前歯が生えかわるまでしばらく様子を見ちょってから、9歳ぐらいの時に針金の装置でやんわり歯と歯の間を広げて、でこぼこの歯を真っすぐにしたが。今は歯のない入れ歯みたいな取り外し式の装置で元に戻らんようにしゆうところ」
 「歯の矯正治療って、いつごろから受けたらええがやろう?」

 保護者にとって、お子さんのむし歯はもちろん、歯並びやかみ合わせも重大な関心事ですよね。ほとんどの自治体で3歳時健診と就学前健診の際に歯科検診が実施されており、場合によっては歯並びについて何らかの指摘を受けることがあるかもしれません。
 現代人は軟らかい物ばかりを食べるのであごが小さくなったとよく言われます。ところが、ある大学の調査によると、戦後日本人の体格は大きくなっており、それに伴って(体の一部である)あごの大きさも平均的には大きくなっているそうです。歯並びが乱れる原因についてはいろいろと研究が進められていますが、いまだ道半ばというのが現状です。

 では、お子さんの歯並びが悪くなりそうな場合、いつの時点で対応すればよいのでしょうか。歯科医師に相談する時期としては一般的に、乳歯が生えそろった後の3歳前後の時期か、前歯が大人の歯に生え替わる直前の5〜6歳の時期がよいかと思われます。とはいえ、骨格的な問題がある場合はこの限りではありませんので、指摘を受けたとき、問題を感じたときにすぐ相談に訪れるのがよいでしょう。相談するのに早過ぎ・遅過ぎはありませんのでご安心ください。

 場合によっては針金を使わない簡単な装置で歯並びを改善できる方法を選択できたり、逆に、歯間を拡大するだけではでこぼこを改善できない(大人の歯が大き過ぎるときなど)こともあります。通常、歯の矯正治療は健康保険が効かず、全額自費診療となりますので、まずはかかりつけの歯科医師かお近くの歯科医院に相談し、納得いくまでじっくりと説明を受けるようにしましょう。