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日本人はフッ素不足!?むし歯予防へ補充を
 ある歯科医院に、小学生の女の子が1人でやって来ました。

 「1人で歯医者さんに来たかね。えらいねえ。おんちゃんは歯医者さんは苦手やき、ようよう通いゆう」
 「歯にフッ素を塗ってもらいに来ゆうが。フッ素で歯を丈夫にしちょったら、むし歯になりにくいがやと」
 「ほんまかえ? そんなことでむし歯にならんかったら、まっこと楽やんか。そんなうまい話があるかえ?」

 女の子はニコッと笑って真っ白な歯を見せてくれました。
 フッ素のむし歯予防効果をご存じでしょうか? フッ素を利用すると歯がとても丈夫になり、むし歯になりにくくなります。
 多くの先進国では「水道水フッ化物濃度調整法」というむし歯予防法が導入されており、例えばアメリカの主要な都市では、水道水のフッ素濃度を適量に調整しています。このため、普段の生活の中で水道水を使うだけで適量のフッ素を取り入れることができ、赤ちゃんのときから自然と歯が丈夫になり、むし歯予防につながっているのです。
 そのおかげで、アメリカでは砂糖の摂取量が平均で日本の倍近く多く、一方で歯みがきの回数は日本より少ないのに、むし歯は日本より少ないのです。世界保健機関(WHO)も、最も優れたむし歯予防法として世界中に勧めています。
 水道水のフッ素濃度が低い日本では、別の方法で意識的にフッ素を補う必要があります。その方法としては、フッ素入りの歯磨き粉で歯を磨く▽フッ素入り洗口液でうがいする▽歯科医院で定期的にフッ素を塗布してもらう―の三つがあり、これらを組み合わせるのがベストといえます。
 ただ、フッ素の効果はすぐに表れるわけではなく、続けることでじわじわと表れてくるもの。その意味でフッ素は“歯の定期貯金”ということもできるでしょう。
 お子さんに歯が生えたらすぐにフッ素を。うがいのできない0〜3歳児ではフッ素スプレーなどを使う方法もあります。もちろん大人になってからでも遅くはありません。フッ素は歯のあるすべての人にお勧めのむし歯予防法なのです。詳しくはお近くの歯科医院にご相談ください。