災害時口腔ケアの重要性
大規模災害の発生時には、多くの被災者が避難所などで集団生活を強いられるため、こうした状況に特有の歯科的な問題も起こります。災害による歯や口唇、口腔内粘膜(舌や頬粘膜等)への直接的な外傷はもちろんですが、避難生活が長期化すると、偏った食生活やストレスなどが原因で、むし歯や歯周病、口内炎、口臭など口腔内の問題が生じやすくなります。さらにはライフラインの断絶で水が不足している場合、 歯みがきやうがいなどの口腔清掃がおろそかになりやすく、これも問題発生の一因になります。こういった様々な要因で、お口の中の環境が悪化してしまうと、それにより口の中の細菌が急激に増殖し、むし歯や歯周病を悪化させてしまいます。また、特に高齢者の場合、口腔内を清潔に保たないと、増殖した口腔内細菌により誤嚥性肺炎などの呼吸器感染症が増加することが考えられ、口腔ケアが「命を守る」ことにつながります。そのため、近年は高齢者に対する口腔ケアを通じた肺炎予防が行われるようになってきております。
このように災害時においては、全身の管理だけではなく口の中を健康に保つことは非常に重要なものとなります。
備えあれば憂いなし。防災袋に口腔ケアグッズも
避難所・配布用ポスター
「日歯8020テレビ」
災害時に備えておくことや、口腔ケアの実際、さらにお口の体操などについて詳しく解説されております。ぜひ、いざという時のために実際にやってみて普段から慣れておきましょう。