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第1回コラム “健口文化”次代へ

恒石 定男
高知県歯科医師会会長

平成21年10月23日(金)掲載


 「健口(けんこう)維新—長寿は歯と口の健康から—」をテーマに、「第30回全国歯科保健大会」が11月21日、高知市で開催されます。健康長寿における歯や口の大切さを考えるとともに、新しい人生観や健康観、歯科保健医療の在り方などを広く提言する大会にしたいと考えています。

 日本は今や世界一の長寿国になりました。しかしながら、すべての人が健康なまま一生を過ごせるわけではありません。健康だけが幸福の指標ではないとはいえ、やはり健康長寿への願いを多くの人が抱いているのではないでしょうか。

 近年の研究により、歯や口の健康、すなわち「健口」を保つことが、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防につながることが明らかにされてきました。高齢者における口腔(こうくう)ケアが認知症の進行を抑制したり、肺炎の予防に役立つこともよく知られています。このように「健口」と健康は密接に関係しているといえます。

 いずれにせよ、「健口づくり」を通じて皆さんの健康長寿のお手伝いをすることはわれわれ歯科保健医療関係者の責務であり、80歳で20本以上の歯が残っている人が半数以上を占める「8020社会」を実現させることが大きな夢でもあります。

 不幸にして歯を失っても、適切な歯科治療を受けることで「健口」を維持できる。皆が楽しく笑い、会話し、おいしく安心して食べることができる。生きがいを持ち、幸せを十分感じながら一生を過ごせる。一人一人が自分で「健口づくり」に努め、それを社会全体で支援する—。「健口づくり」を文化として定着させ、次世代へと受け継いでいかねばなりません。

 大会シンポジウムでは、現時点でその夢にどのくらい近づいているのか、夢をかなえるためにはどうあるべきか、何をするべきかなどについて考え、討論したいと考えています。秋の一日、歯と口の健康について一緒に考えてみませんか。